抗体ダイレクトクローニング法は、大腸菌に抗体を発現させるコロニーアッセイ法を利用したバイオピーク独自のスクリーニング方法です。抗体遺伝子ライブラリーの多様性が確保された抗体発現ライブラリーを構築し、大腸菌に導入し、大腸菌ライブラリーを作製します。大腸菌ライブラリーは、アガープレート上の抗原固相化メンブレン、コロニー形成用フィルターを配置したフィルターサンドイッチ上に播種し、培養します。この培養により、コロニー形成・抗体発現・抗原抗体反応を同時に行います。その後、メンブレンに固相化した抗原に結合した抗体を検出し、目的抗体を生産するクローンの同定します。
この方法により、短時間に多くのクローン(約3000/plate)を同時に評価し、多数の陽性クローンを同定することが出来るため、高親和性のモノクローナル組換え抗体が取得可能になりました。
・免疫動物種の選択
ウサギ・マウス・ラット・ニワトリから、免疫を行う動物の選択が可能です。
・抗体ダイレクトクローニング技術によるスクリーニング
バイオピーク独自技術(抗体ダイレクトクローニング法)を用いて、免疫動物のリンパ組織から、抗体遺伝子を抽出し、抗体ダイレクトクローニング専用の発現ベクターに組込み、抗体遺伝子ライブラリーを作製します。抗体遺伝子ライブラリーで大腸菌を形質転換し、コロニー形成させると同時に、抗体の発現が誘導され、次いで分泌された抗体を抗原コートメンブレンに捕捉・検出することで陽性クローンを決定します。
・多数のクローンを同時に評価
各クローンはプレート上にコロニーを形成させるため、ハイブリドーマ法に比べて多くの陽性クローンを得ることが可能です。(例:10cm プレート上に 2000~3000 コロニー)
・クローン樹立後発現の簡便性
選択した陽性クローンは短時間で抗体を再発現することが可能です。そのため、多種類・多数の評価項目を簡単に短時間で評価することが可能です。
・scFv(single chain Fv)
得られたクローンが産生する抗体は一本鎖抗体(scFv)のため、クローンを樹立した後、
FabやIgGに構造を改変することが可能です。また、検出酵素や、ヒトのIgG定常領域を融合
することで、様々なアプリケーションに用いることが可能です。
・高親和性のモノクローナル抗体を作成可能
・短期間でモノクローナル抗体を樹立できる
・ウサギのモノクローナル抗体を取得可能
・リコンビナント抗体の大量生産が可能
・抗体は分泌発現するため簡便に精製可能
抗体ダイレクトクローニング法は大腸菌を用いるため、ハイブリドーマ法に比べて、多くのクローンを一度にスクリーニングすることが可能です。そのため、目的の抗体を産生する陽性クローンも多く取得することが出来ます。また、ファージディスプレイ法で用いられるパニングによるスクリーニングとは異なり、それぞれのクローンが発現する抗体を直接検出し、陽性クローンを同定するため、偽陽性が無いのが特徴です。ウサギ・マウス・ラット・ニワトリ等の様々な動物種のモノクローナル組換え抗体を作成することが出来ます。特にウサギへの免疫と、抗体ダイレクトクローニング法を組み合わせることで、高親和性のモノクローナル抗体を多数得ることが可能になりました。
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